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Facts(4/5) : #009


きわめて精神的な事故

 今朝、会社に来る途中、検問をやってた。まあ、免許はちゃんと持ってたし、やましいことは何もなかったので別になんということもなかったのだが、警察官との会話でかなりの動揺を見せてしまった。

 まず、いきなり、「オイルをちゃんと入れた方がいいよ。」といわれた。確かにオイルがないことを示す赤ランプがついていた。ケチなので結構ぎりぎりまでオイル補給をしないから、よくつきっぱなしでも気にせず運転してるものだ。一瞬、よけいなことを、と思ったが、その口調に気遣いとやさしさが込められてるように感じられたので、「はあ」と生返事でごまかしておいた。おそらくこの警察官は、オイルでなにかひどいめにあったのではないかとかよけいなことを考えてしまった。

 そして次の言葉がかなりのショックだ。というか悪いのは自分なのだが。「前あいてるぞ。」・・・ズボンのチャックがあいてた。

 いちおう冷静をたもちつつ文を先に進めよう。幸い繁華街にはほど遠い場所だし、上着で半分隠れてたから、人生の終わりだとかそのくらいのショックではなかった。今思えば警察官の微妙な笑顔と、「オイルをちゃんと入れた方がいいよ。」はこのための前ふりだったのか。なんか腹が立ってきた。

 気遣いとやさしさは時に残酷な状況を作り出すものだ。っていうか自分が悪いのか。

おわり。(1997/12/22)


Grand Circus / hiroyuki shoji 1997-1999 : <shoji@sh.comminet.or.jp>